管理が簡単な生き餌、冷凍コオロギの特長と与え方

管理が簡単な生き餌、冷凍コオロギの特長と与え方

冷凍コオロギとは?

冷凍コオロギとは、爬虫類や両生類、小型動物の餌として用いられる、冷凍保存されたコオロギのことです。
餌用のコオロギは、衛生的に管理された環境で飼育されています。そのコオロギを低温で急速冷凍することで、栄養価を損なわずに長期保存できるようになります。また、生きたコオロギに比べて利便性が高く取り扱いが簡単で、素人でも衛生的に保存できるのもメリットです。

どんなコオロギが冷凍コオロギになっている?

餌用に使われるコオロギは、主に下記3種類のコオロギで、これらが冷凍されたものが「冷凍コオロギ」として流通しています。

ヨーロッパイエコオロギ

ヨーロッパ原産のコオロギで、世界中で広く飼育されているコオロギで、「イエコ」の愛称で知られています。体の色は黄金色で、体長は約1.5~2cm。最も一般的な種類の餌用コオロギです。タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルのバランスがよく、爬虫類や両生類、小型動物の餌として幅広く用いられています。

フタホシコオロギ

主に亜熱帯の温暖な地域、沖縄などに生息しているコオロギです。黒っぽい体色で、その名の通り、左右の羽に一対の黄白色の斑紋を持っています。体長は2.5cmほどで、イエコよりもムッチリとした体格をしています。暖かい環境さえ整えれば、1年中繁殖可能で増やすことができます。

クロコオロギ

フタホシコオロギを選別交配させて作られたコオロギです。体の色は黒く、体長は成虫で3cmほどになる個体もいます。羽が生えてくるのが遅いので、大きさによってはペットにコオロギを与える際に、羽を取る必要がありません。サイズが大きいので食べ応えがあります。

冷凍コオロギはこれらのコオロギを単体、またはミックスで販売されています。栄養価は大きく変わらないので、ペットに合ったサイズのものや、好みなどで選ぶと良いでしょう。

冷凍コオロギを餌として食べる生き物

冷凍コオロギを餌として食べるのは、生きているコオロギを食べる生き物と同じです。
ただし、冷凍コオロギは動きません。ペットによっては動かないコオロギには興味を示さない場合もあります。

  • 爬虫類(トカゲ、ヤモリ、ヘビなど)
  • 両生類(カエル、イモリなど)
  • 肉食性魚類(アロワナなど)
  • 鳥類・猛禽類(フクロウなど)
  • 小型の哺乳類(ハムスター、ハリネズミなど)

冷凍コオロギの保存方法

冷凍コオロギを購入したら、ジッパー付きビニール袋などの密閉できる袋か、密閉容器に移します。この時、できるだけ空気を抜いた状態で保存すると鮮度を保つことができます。また、コオロギどうしがくっ付かないようにすると、使う時に出しやすく使いやすいです。その後冷凍庫に入れて保管します。

冷凍コオロギの与え方

冷凍コオロギを餌として使う際には、そのままではなく、必ず解凍してから与えます。解凍方法はいろいろありますが、ここではおすすめの方法順にご紹介いたします。

おすすめ解凍方法①「湯せん解凍」

【準備するもの】
・ジッパー付きビニール袋
・40℃前後のお湯
・お湯を入れるボウル
・キッチンペーパー

①ジッパー付きビニール袋に、凍ったままのコオロギを入れます。
②ボウルにお湯を入れ、そこにコオロギを入れた袋を入れます。袋が浮いてしまう場合は上から重しなどをして、袋の中のコオロギがお湯に浸かるようにします。
③そのまま5~10分程度置いておきます。その後、指でコオロギを触ってみて、冷たいところや固いところがなければ食べごろです。袋からコオロギを取り出し、表面についている水気をキッチンペーパーで拭き取ります。

おすすめ解凍方法②「自然解凍」

【準備するもの】
・コオロギを入れる皿
・キッチンペーパー

①お皿にコオロギを出します。
②そのまま室温で解凍します。
③指で触ってみて、冷たいところや固いところがなければ解凍完了です。最後に、コオロギの表面の水気をキッチンペーパーで拭き取ります。
※あまりにも長時間置いてしまうと、解凍を通り越して”腐敗”が進みます。自然解凍をする場合は、解凍の途中でちょこちょこ解凍具合を確認しましょう。

おすすめ解凍方法③「ヒーター」

【準備するもの】
・パネルヒーター
・キッチンペーパー

①キッチンペーパーにコオロギを出します。
②パネルヒーターの上に乗せます。ヒーターの温度が高すぎると、コオロギの表面だけが解凍されてしまうので、低めの温度でゆっくりと解凍します。温度調節が難しいようであれば、ヒーターから少し離して様子を見ましょう。

あまりおすすめできない解凍方法「電子レンジ」

【準備するもの】
・電子レンジ
・コオロギを入れる皿

①お皿にコオロギを出します。
②電子レンジで温めます。
※強いにおいが庫内に残る可能性があります。
※加熱温度、加熱時間によってはコオロギが破裂します。
※解凍が成功してもコオロギが熱くなっていることがあるので、必ず温度を確認しましょう。

これらの方法で解凍が完了したら、ダスティングをします。それからピンセットでつまんでペットに与えます。動かないコオロギに興味を示さない場合は、つまんだコオロギをペットの目の前でフルフル振ってみると食いつくかもしれません。

解凍後の注意点

  • 解凍後は腐敗が進みます。解凍したコオロギは速やかにペットに与えましょう。
  • 食べ残しや余ったコオロギは、再冷凍はせずに処分しましょう。