ペットの生き餌として人気のデュビアとは?

ペットの生き餌として人気のデュビアとは?

デュビアとはどんな生き餌?

デュビアとは、中米から南米にかけて生息するゴキブリの一種です。学名は「Blaptica dubia」といい、「アルゼンチンフォレストローチ(アルゼンチンモリゴキブリ)」という別名も持っています。日本では「デュビア」という呼び名が浸透しています。
成虫の体長は約40mm前後で、体色は黒~茶色です。オスには羽根がありますが、メスには小さい羽根しかありません。寿命はオスが約1年、メスは2年程です。
デュビアはゴキブリの一種ですが、日本の一般的な家庭の害虫とは異なる種類のゴキブリで、爬虫類や両生類などのペットの餌として、広く流通しています。

デュビアの栄養価

デュビアの栄養価は、昆虫類の中でも非常に優れていると言われています。デュビアは雑食性で、野菜や果物、穀物、動物性タンパク質など、幅広い餌を食べます。その結果、高タンパク質である他、脂肪、ビタミン、ミネラルも含んでおり、これらの栄養素のバランスが取れています。これは多くの爬虫類や両生類にとっては理想的であり、生き物の健康を維持するのに適しています。
また、デュビアは雑食で何でも食べるので、ペットの健康や好みに合った栄養価のデュビアを自分で飼育することも可能です。

豊富なサイズで多くの生き物の餌として対応

デュビアは生まれて間もない幼体から成体まで、全て生き餌として使うことができます。サイズが幅広いので、個々のペットの好みや成長段階に応じて、適切なサイズのデュビアを与えることが大切です。以下に、デュビアの各サイズに合った一般的な飼育動物の例をご紹介します。

・デュビアSSサイズ(0.5~1cm)
主に爬虫類や両生類の赤ちゃんなどに適しています。
例:ツノガエルの赤ちゃん、フトアゴの赤ちゃんなど

・デュビアSサイズ(1~2cm)
小型の爬虫類や両生類などに向いています。
例:ヒョウモントカゲモドキの幼体、フトアゴヒゲトカゲの幼体など

・デュビアMサイズ(2~3cm)
中型の爬虫類や両生類などに最適です。
例:ヒョウモントカゲモドキやフトアゴヒゲトカゲの幼体~亜成体、トカゲの亜成体、カエルの亜成体など

・デュビア成虫(3~4cm)
デュビアの成虫サイズは比較的大きな昆虫で、大型の爬虫類や鳥に餌として与えることができます。
例:ヒョウモントカゲモドキやフトアゴヒゲトカゲの成体、カメレオン、トカゲの成体、カエルの成体など

サイズの合わないデュビアしか用意できない場合は、ハサミでペットに合った大きさにカットしたり、足や羽根などを取ってから与えると、食べやすくなります。また、デュビアは床材に潜る性質を持っています。ペットに与える際には、ピンセットでデュビアをつかんで、ペットの口元に運んであげると良いでしょう。

デュビアの飼育・保存方法は簡単です

デュビアは管理がしやすく初心者でも簡単に飼育ができるので、ペットの餌代節約のために飼育している方も多くいます。

キープ、増やしたい方は室温以上で飼育します

まず、デュビアの飼育に必要な蓋付きのプラスチックケース、隠れ家となる紙製の卵パックを準備します。

デュビアを飼育するためには、温かい環境が必要ですが、キープするだけなら人間が普通に生活できる室温で問題ありません。増やしたい場合は25℃~28℃程度の温度が適しています。冬場はパネルヒーターを敷いてあげると良いでしょう。
デュビアは乾燥気味な環境を好むので、霧吹きで水を吹きかけたりする必要はありません。餌として水分が多く含まれている野菜類を与えたり、浅いお皿に水を入れて水分を摂らせれば十分です。このような水分を含んだ餌は、高湿度やカビの原因となりますので、食べ残した餌は速やかに取り出しましょう。

冷凍保存もできます

増やしたくない人には冷凍保存がおすすめです。ジッパー付きの袋にデュビアを入れて、冷凍庫に入れることで長期保存ができます。ただし、生き餌を好んで食べるペットの場合、動かなくなったデュビアはをべない可能性もあります。

デュビアの脱走に注意

「デュビアは飛ばないから脱走しにくい」と言われていますが、幼体のデュビアが飼育ケースの蓋の隙間から逃げ出したり、飼育ケースの掃除をしている時に脱走してしまうということはよくあります。動きに俊敏さが無いため、他の餌昆虫よりは確かに捕まえやすいですが、大量に脱走してしまった場合は捕まえきれないこともあります。
デュビアは日本にはいない昆虫です。脱走してしまった時のことを考えて、デュビアを屋外に出さないために、デュビアを飼育する際には市販のゴキブリホイホイやブラックキャップなどを部屋に仕掛けておくことをオススメします。
また市販の殺虫剤は、デュビアを全滅させてしまう恐れがあるため、使用は控えましょう。

扁平デュビアとは?

正常なデュビアは、俵型で丸々としていて厚みがありますが、扁平デュビアは丸くて薄く、平べったい形をしています。多くデュビアを飼育しているとこのような個体を見かけることがあります。扁平は病気が原因ではないので、生き餌としてペットに与えることは問題ありません。
扁平になってしまう原因として、栄養不足や水分不足が挙げられます。扁平デュビアが多くいる場合は、餌の見直しをしてみましょう。